【広島県 40代前半女性 yumehanaさん】
結婚は女性にとっては人生最大の選択の時ですよね。特に周りから「え、結婚まだ考えてないの？」と聞かれると結婚したくなくても焦ってきてしまうのですから、アラサーになるとかなり厄介な問題ですよね。現在40代のアラフォーと言われる世代になり主婦生活にもすっかり慣れて、優しいダンナ様と反抗期に突入した子供に囲まれて平凡ですが幸せな生活を送っていますが、ふと結婚に焦っていたアラサー時代を思い返すこともあります。
実家から離れて一人暮らしを始め仕事もすっかり慣れて、それこそ自由で気楽に過ごせる毎日にとても満足して過ごしていたアラサーの頃。もちろん、定期的に合コンや飲み会もあったので、会社の枠を超えて友達が増えてとにかく毎日が楽しかったので、「結婚」なんて全く考えていませんでした。3歳年上の姉は大学卒業して間もなく結婚したので、しばらく「結婚」を身近に考える機会もありませんでした。
しかし、親は違ったようです。ある日、珍しく実家から電話がかかってきました。「お見合いの話が来ているから、いつ帰ってこれそうか？」といった内容でした。当時は特定の彼氏はいなかったので、お見合いするタイミングしては悪くなかったのかもしれませんが、実家の近くに住む親戚筋からの話だと聞いて「これは、絶対に断らないと!!」と思ったのです。なぜなら今の自由気ままな生活から、また家族や親戚に束縛されるような生活になることが目に見えていたからです。
もちろん、お見合い相手の学歴、職業、年収もすべて一定以上で理想の条件を備えた方だったと記憶に残っていますが、その時の私は「これは、なんとか断る理由を考えねば…」とひねり出した方法が、自分で結婚相手を選ぶ「婚活」だったのです。「結婚も結婚相手も、自分で選びたい！」私が婚活を始めたキッカケは思えば少々陳腐だったかもしれませんが、結婚するのは自分自身なので絶対この点だけは譲りたくなかったのです。
同僚や友人に「婚活するためにはどうしたらいいのか？」と聞き、とりあえず気楽に参加できる婚活パーティーに参加してみました。日頃出会うことのないような業種や趣味の男性と知り合う機会はありましたが、どうも価値観が似ていて「結婚」をイメージできる相手の方とは出会えませんでした。そのあと、友人と一緒にドクターや弁護士などのセレブ男性と出会え、紹介してもらえる婚活会社「株式会社誠心」という結婚相談所にも入会して、何度かパーティーにも参加しました。
高い入会金や登録料を払いましたが、もちろん、パーティーだけでなく紹介でお会いした男性は数名いました。どの男性もとても立派で尊敬できるような方で何度かデートしましたが、なかなか「結婚して生涯のパートナー」としてはイメージできませんでした。その間も実家からは結婚のことで何度も電話がかかってくるので、のらりくらりとかわしていましたが、内心「このままだと強引にお見合いになる…」とヒヤヒヤで日ごとに焦っていました。
そんな婚活生活が1年くらい経とうとしていた頃に、気心知れた男友達から「婚活中って言ってたけど、調子どうよ？」と久しぶりに連絡がありました。久しぶりに聞いたその声に、なかなか結婚まで上手くいかないこと、自分の理想が高すぎるのか他に問題があるのか悩んでいること、このままだと実家に強制的に帰らなくてはいけなくなること、焦るばかりで結果が出ないこと、などをずっと心に溜め込んでいた気持ちを一気に彼に吐き出していました。気が付くと涙がポロポロ止まらなくなっていました。
しばらく時間をおいて、彼から「…婚活ってさ、意外と近くにいる人には気付かないものだよ。俺じゃダメなの？」と一言。しばらく固まりましたが、「ダメじゃないよ」と返すのが精一杯だったのを覚えています。その彼こそが、今のダンナ様です。婚活真っ只中の時は友達の一人だと思っていた人がまさか人生のパートナーになるとは思っていませんでしたが、飾らずにありのままの自分でいられる人に出会えることはそう多くはありません。
それも婚活で多くの男性に出会えることができて、自分なりに「どんな人が自分にとって理想の人なのか」を一つ一つ直感で確認できたのは大きな実りだったと思います。私の婚活は意外な形で終わりましたが、今はその経験に感謝しています。婚活はご縁の始まり。一つ一つの出会いを大切にして運命の人と出会う縁を信じてほしいと思います。たとえそれが婚活中に出会った人でも、自分の近くにいてくれる人であっても…。